私がセカンドチャンスをつかむまで

A・Y(30代)

 女性が家庭を持ち、仕事を続けることは大変ではありますが、楽しみは2倍いやそれ以上かもしれません。仕事と子どもの成長、家族の団欒等々それぞれが生きるための糧になっているように思うのです。
 私は地元の短大に自宅から通学しました。普通高校を出た私は何か資格を取ろうと入学。
 2年という短い時間はあっという間に過ぎていきました。日商簿記3級、2級、そして家業が旅館だったため調理師資格を取得しました。
 バブルがはじけ縁あって就職できた地方銀行。支店に配属になった私は同期1人。不安でいっぱいでした。初めはなかなか業務を覚えられず、ミスばかりしてしまい上司や先輩に迷惑をかけてしまい落ち込む毎日でした。そんな頃地方銀行協会主催の検定を勧めてくれた先輩がいました。業務もまだ覚えられない私に試験を受けるコツなども教えていただきわけもわからず過去問を丸暗記で試験に臨みました。合格を頂いたとき、この仕事をもう少し続けてみようと思いました。
 その頃新人研修と平行し会社では一人がどの業務もこなせるようにという流れで係り替えが多く行われました。慣れたと思うと担当替え。同時に試験も少しずつステップアップして受験しました。担当になったのは融資事務。検定や簿記の資格を活かしながら仕事が出来る楽しみを得ることが出来ました。その頃ローンのキャンペーンが実施され、銀行表彰を受けることが出来、営業の楽しみを味わうことにもなりました。
 その後転勤がありましたが、窓口が閉まれば外回りをして営業を任せられる事になりました。田舎だったのですがお客様のお宅に出向き年金の手続きやローンのご相談に乗るなど大変感謝されました。もちろんできる限りの専門知識を身につけようと銀行開催のファイナンシャル・プランナー研修を休日に受講しました。地方銀行協会の研修で全国の地銀の方とお会いしたり、行内の企画プロジェクトなどにも参加させてもらい大変有意義に仕事を進めさせていただきました。
 その頃結婚し転勤。忙しいお店でしたが窓口業務や営業等を担当し、本部づけ営業推進の新部署に配属されました。新商品の導入と営業推進を8店舗担当。担当者としては未熟な私でしたがお客様に助けられて、また支店の皆さんが協力的で仕事もどんどん楽しくなっていきました。その頃妊娠がわかり仕事を続けるかどうか悩みました。大きいおなかを抱えて支店を回るのも体力的につらかったのですが自分を必要としてくださっていると思うとがんばれました。当初仕事は続けることで調整していました。育児休暇も取ることも可能でしたが日々刻々と変化する金融情勢の中でブランクができてしまうこと、この部署で続けて欲しいという意向に子育てしながら応えていくことに不安を覚え、出産半月前で退職しました。
 無事出産し子育てに奮闘していた頃(1歳半)、銀行の先輩から1本の電話があり、是非、働かないかというのです。お世話になった上司が銀行から食品関係の会社(駅弁・仕出製造販売)に行っており、そこで新商品の開発等の仕事を手伝って欲しいということでした。迷わず返事をして主人を説得。保育園の手続きをすすめ、入社させていただきました。
 銀行業務とは畑違いのまさかあの時の調理師資格が生かせるとは思いもよりませんでした。食べることが好き、旅行も好きという私は駅弁に携われることを大変うれしく思いました。従業員150人の会社ですから原価の計算から開発、企画書づくり、現場への周知、販売までの手続き、POP製作、売上の状況把握、広報、その他IT導入を進めていく中でAccessをつかった業務フローの改善等もすすめさせていただいております。地元の大学生と行政との産官学のコラボレーションも実現できました。いくらいいものを作っても売ってくれる人がいなければ商売できません。密な人間関係も構築していかねばなりません。
 しかし子どもは仕事のペースで動いてくれません。急に体調も悪くなりますし、入社早々中耳炎がわかり今でも通院は欠かせません。自我が芽生えてくれば親の思うとおりになるわけでもありません。核家族で夫婦の両親に助けも求めることは出来ません。会社の理解や保育園や小児科等かかりつけ医にお世話になり大変助かっております。休日はたっぷり子どもと過ごす。完全ということはないかもしれませんがいっぱいの愛情を注いでいこうと思うのです。それには段取りよく仕事を進めることが重要ですが、私の場合、前職のおかげでうまくいっているのかもしれません。仕事を続けることをあきらめてもセカンドチャンスはつかむことは出来ます。私がセカンドチャンスをつかむことが出来たのは前職で精一杯がんばってきたからだと思うのです。前職と違っても情報収集はじめ専門知識の習得、取り組みが大事ですし、そして仕事への情熱。一番の大事なのは好きであることです。これからも感謝の気持ちを忘れずに人とのつながりを大事にしつつ日々少しずつ向上していきたいです。
 中学の時の恩師からの言葉「夢あるところに命有り」を胸にこれからもがんばっていきたいと思っております。