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~わたしの1000万円ストーリー~

カリスマ主婦と呼ばれて
~わたしの1000万円ストーリー~

N・K(30代)

 貯めようと意気込んでいたわけではなく気がついた時には30歳、1000万円が手元にあったというのが正しいと思います。でも漠然と30歳まで1000万円は夢を持っていました。その目標は全くきびしくなく、アバウトだった点が目標達成ポイントになりました。要は、実行力と揺るがない信念でした。私は、現在商工会議所や幼稚園の母の会、看護婦さんの職場研修、町内会など女性をメインに講師として多くの方々の前でお話をするお仕事をしています。まさか、この口下手なわたくしが90分原稿なしでお話ができる人間に変身できるなんて自分でも予想していませんでした。私はそれまで会社員として勤務していましたが電話応対が特に苦手でした。会社を退職して家庭に入った時はその電話に解放された気がして少しホッとしました。そんなことも束の間、子育ては家庭だけで行うのかと疑問を持つほどアパートでの初めての子育ては孤独になりました。
 まずは家庭環境からお話いたします。私の父に借金があった過去が一度ではなくあります。暗い時代でした。消費者金融がメジャーじゃない頃に、父は消費者金融を利用していました。その都度、母の苦労を感じていました。当時中学生の私に家族は借金の事実を隠してはくれたようでしたが、雰囲気のおかしさがそこにはありました。
 3年間部活動のシューズが買えなかったし、ジャージも(バレー部ではみなツギハギだらけでした)私はツギハギが多かったのでした。洗濯をしてもツギハギ部分は乾くまでとても時間がかかりました。母と子で父の借金に立ち向かった時期だったと思います。
 でも、この経験がもの、お金、資源、命あるすべてを大切にすると重要なことを、母から学びました。昨今は、省エネや環境問題を世界でも取り上げてくれるようになって、以前は面白おかしく取り上げられた、貧乏やケチという言葉が消えています。それとは逆に倹約、省エネ、生活の知恵という言葉が毎日のように流れ、お金や物を大切にするライフスタイルの評価が高くなっています。そんな時だったので私が主婦になった2000年に素人の私も節約が上手だということで注目されて本を出すことになったのだと思います。25才に結婚し、2000年に出産のため退社。まさか、主婦という身分が、今日のように職業になるなんて予想していませんでした。しかし、資格も学歴もなかった私が、地方にいて、中央の今勢いのある出版社から本を書いてみませんかと声をかけていただけるなんて。その前に結婚でもひと波乱あったことをお伝えします。幸せ結婚しかないと思って疑わない私がした結婚は、スタートからその夢が崩れました。結婚後、夫になる彼の借金を知ってしまったのです。父のように家族にお金の苦労をさせるような男性だけとは結婚しないと心に誓っていました。私は、鋭い視点で男性を見抜いて結婚できると思っていました。それが、夫になった彼に入籍の45分後に借金があることが発覚したのです。ずっと見せてくれなかった彼のお財布のポケットをふと見て消費者金融の明細が出てきました。結婚を0からスタートするものだと思っていたのが、突然マイナス440万円からのスタートになったのです。自分に人を見る目のなさにショックを受けました。私を裏切ってきた彼を信用できなくなって、入籍の1時間後には、彼の実家にこの結婚をなかったことにしてほしいと訴えにいっていました。しかし、その申し出は、彼の家族に却下され、結局は彼のお父様に「なんとか息子を頼む」と言われてしまいました。私が彼の改心を引き受ける形で結婚がスタートしました。その後は、私の節約のやり方に、ついてこれるものならついてきてみなさいと言わんばかりに自分でも厳しいと感じる節約ライフを決行しました。そのおかげで彼の借金は約2年で完済し、5年後には1000万円が貯まったということです。その間、子供も2人生まれ、新居にも引っ越し、私の軽自動車も買いました。それでも1000万円が貯まったのです。この節約における貯蓄の驚異的なスピードにTVも出版社の方も、興味を持ってくださったようです。秋田県は自殺率ワースト1を連続しています。残念なことに、夫の親族でもこの5年間で借金が発覚し、残念な結果となっています。私の夫になった彼は、もう後ろがない、お金が無ければ死ぬしかないのだという事実を経験し、背水の陣で私と一緒に節約に取り組みました。借金は死んだ人間の生命保険でクリアにできたのですが、借金を苦に死を選んだ人は、その生命保険金分のお金を準備したとしても戻っては来ません。お金がなければ死ぬしかない、でもお金があっても人は戻ってこない。この教訓から私は、少し先の生活が不安なくできる程度お金があればいいと思っています。だから私の節約技には、生活に自由をなくすようなきつさがありません。生活を楽しんで節約に取り組んでいます。節約してお金があっても、笑いのない生活は、楽しくありません。クスッと笑える節約を日々考えて、主婦の方々にお伝えできるこの 節約カリスマ主婦。今では私にしかできない職業を生み出したと思っています。今、振り返るとあの時 あきらめないでよかったの連続です。専業主婦になって社会から切り離されたような気がしたけれども夢を持ち続けたからかなった夢、家庭から発信できる主婦になる!これが、私の夢でした。いままでも、これからも。
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